SSPプロジェクト(プロジェクトリーダー:吉川 徹)
階層と社会意識研究プロジェクト(SSPプロジェクト)に組織メンバーとして講座全体で協力しています。SSPプロジェクトは経験社会学研究室に事務局をおいています。
SSPプロジェクトは、階層(社会的な立場の上下)と社会意識(ものの見方や考え方)の関係に実証的に取りくむ包括的な研究者組織です。2010年以来8つの全国調査を実施し、そのデータ計量分析することで、現代日本人の日々の暮らしぶりが、ものの見方や考え方(社会意識)をどのように形作っているかを読み解こうとしています。
SSPプロジェクトの詳細や、研究成果については、「SSPプロジェクトウェブサイト」をご参照ください。
階層意識全国調査の時系列データの収集と標本抽出WEB調査法の確立 (研究代表者:吉川 徹)
本研究においては、2020年秋に第3回SSP調査を実施し、5年インターバルで3時点のデータを得て日本社会の新たな趨勢を把握する。これまで継続してきた訪問PAPI(質問紙他記)法にはやがて限界がくるといわれている。若い生年世代に対して、より効率的な回収が可能な次世代型の調査モードへの転換が喫緊の課題となっている。
そこで対象者を層化多段抽出したうえで、実査においてウェブ回答入力に誘導する新たな方法を開発し実用する。得られたデータについては、既存データとの時点間比較分析を行ない、国内外に成果を発信する。
人口減少社会における若年層のローカル・トラック構造の解明 (研究代表者:吉川 徹)
地方からの若年層の進学流出の構造と課題について、それぞれの地域によって異なる実情をエビデンスに基づいて描き出し、学術的な論点整理を行う。
その視点としては、流出移動の当事者である若者自身だけではなく、教員、行政担当者、両親、地域産業などを包括的な視野でとらえる。同時に20世紀から21世紀にかけての30年、個人のライフコースとしては10代から50代までという長いタイムスパンを捉えることで、日本の地方の若年層の実態を立体的に把握する。
国民による移民の受け入れ社会に対する帰属意識の認識:実験による解明(研究代表者:五十嵐 彰)
本研究では、実験手法を用い、日本とイギリスで、どういった移民が受け入れ社会に対して帰属意識をもっていると国民によって認識されているかを検討する。方法として、移民のプロファイルをランダムに生成して提示する実験手法を用いることにより、国民が、どのような移民に対して帰属意識が強いと認識するのかを検討し、移民の帰属意識認識に関する要因を明らかにする。同様の実験を日本とイギリスで行うことで、社会環境の違いがどのように移民の帰属意識に関する認識に影響するかを検討する。